超広角をこよなく愛すフォトグラファー梅田厚樹です。
今回のエントリーでは、SEL1224Gという、自分の写真に欠かせない12mmの超広角レンズで撮られた写真をお見せしながら、その魅力と、使いどころをご紹介しようと思います。
自分は3、4年前から12mmのレンズを愛用していましたが、ボケにも一切頼ることができない超広角の画角で写真を撮るのは、ものすごく難易度が高いです。風景だけならまだしも、そこに人物を入れて違和感なく写すのは、相当色々なことを同時に考えなければいけませんが、決まった時のインパクトは、何にも変えられないほどに素晴らしいです。
自分の不動のメインレンズは、SONYのSEL1635GM(F2.8)なのですが、このSEL1224Gは、それに全く劣らない画質でありながら、12mmで撮ることが可能です。F2.8に比べて、1段は暗くなりF4にはなるのですが、12mmからF4で撮れて、開放から思い切り「使える」画質なので、とても信頼しています。なんの躊躇もなく、開放からいつも使って撮っています。
現像前後の比較
以下の写真は、現像前のデータです。ご覧の通り、夜の都庁は真っ暗で、写真を撮るのは限界ギリギリです。勿論三脚を使って長時間露光すればいけるのですが、人物を入れて撮るとなると、手持ちでシャッターを切る事になるので大変です。
設定は、F4, 12mm, ISO1600, シャッタースピードは1/13。設定からもわかる通り、本当に真っ暗な状況。F4で撮れるのは本当に有難いです。
以前はフォクトレンダーの12mmの単焦点レンズ、ultra wide heliarを使っていたのですが、(今も大好きなレンズです)現在は全く使っておりません。やはりF5.6と1段暗いのと、周辺の画質がSEL1224Gと比べてかなり低下するのと、周辺光量が激しく落ちるので、かっこいい写真にはなるのですが、レンズのクオリティ的には断然こちらです。
超広角レンズの難しさ
超広角はインパクトはありますが、撮るときには相当な難しさがあります。完璧なバランス感覚を要求されますし、少しでも構図が微妙だと、ガタガタと崩れます。四隅にまで気を配り、じっくりと考えながら撮るのがよいでしょう。何よりも、人物を不自然に伸ばさないように細心の注意が必要です。広角で変な風に伸びてる写真は最悪ですからね。とにかく無駄なスペースが無い、完璧な構図を作ることが最重要です。
12mmと16mmの比較
このレンズは、あくまでも16mmから12mmの画角を使いたい方向けのようなものなので、16mmよりも広い画角が必要無い場合は、SEL1635ZやSEL1635GMを購入するのが良いかと思います。ただ、24ミリなどで撮られた場合も、素晴らしい画質を得ることが出来ます。
難点
こちらのレンズの難点としては、フィルターが使えないことと、レンズが飛び出ているので、傷がつきそうで恐ろしいという所でしょうか。購入する際は、必ず延長保証に入っておきましょう。
海外旅行には特に激しくオススメ
自分はよくパリをはじめとするヨーロッパに行くのですが、国が違うと、使用レンズも日本国内とはまるで変わってきます。日本では使用することが少ない12mmでも、海外に行くと、建物全体を入れたくなるので、24mmだと全く足りず、16mmでも足りないことが少なくありません。旅行前に超広角で写真を撮る練習をしていくことを激しくオススメします
SEL24F18GMと迷われている方へ
ソニーのa7シリーズは広角レンズで素晴らしいものがたくさんあり、中でもこの1224Gと、1635Z,1635GM, 24F18GMの4本で迷われるかと思います。1635に関しては両方とも素晴らしいので、どちらを選ばれても満足されるかと思いますので、単純にF値の違いで選べば良いかと思うのですが、その次に購入検討される場合は24ミリか1224かで悩む方が多いかと思います。
結論から言いますと、自分は24GMも所有しておりますが、使用頻度は極めて少ないです。画質は物凄く良いですが、F1.4の恩恵を受けられる、暗いところで人物を撮るくらいしか使わず、ほぼ1224か1635です。
広角で24ミリで固定されていると言うのが、構図の自由度を奪い、物凄く不便なんですよね。あえてその縛りを楽しむ場合は良いのですが、特にウェディングの現場や、旅行中などフレキシブルな対応を求められた場合は、自分の場合は使いどころがほぼほぼありません。
まだ試されたことがない方は、是非魅惑の12ミリの世界へ。
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